2018年01月12日

画家の古典芸術に対する敬意と関心の高さを窺い知ることができる


それは白布の右側に配される隆々とした筋肉による逆三角形の上半身が特徴的な男性の姿にも感じることができ、画家の古典芸術に対する敬意と関心の高さを窺い知ることができる。

また画面の両端に描かれる男性の斜め(内側)に傾けられた姿態と、観る者へ背を向けながら直立する2人の男性、そして画面奥中央の垂直が過剰にすら感じられるほど強調される一本の樹木によって形成される安定的な三角形の構図には画家の高い計算と、画面構造に対する重要度の認識の深さを見出すことができる。

さらに中景に描かれた水浴に興じる多くの男性の躍動的な姿や、構成要素の力強い描写、近景・遠景の差異を殆ど感じさせない平面的構成には晩年のセザンヌの絵画様式の特徴が良く示されている。  


Posted by seeya at 11:02

2017年12月12日

米最高裁、入国禁止令の完全施行認める

 米連邦最高裁は4日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が発表したイスラム圏6か国を対象とする入国禁止令について、上訴が行われる間の措置として、政府に完全施行を認める判断を下した。入国禁止令の施行に向けた闘いを約1年にわたり続けてきたトランプ大統領にとって追い風となる決定だ。

 チャド、シリア、イエメン、イラン、ソマリア、リビアの6か国からの渡航者の入国を禁止する同措置については、10月に下級裁判所が施行を阻止する決定を下していたが、連邦最高裁はこの決定の差し止めを命じた。

 今回完全施行が認められた入国禁止令はトランプ大統領が9月に発令した3つ目の大統領令で、バージニア(Virginia)州リッチモンド(Richmond)やカリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Francisco)の控訴裁判所で争われている。

 原告側は、イスラム教徒を対象にした入国禁止令は合衆国憲法に違反し、政府が主張する治安強化にもつながらないと主張していた。

 しかしこの入国禁止令について連邦最高裁は4日、完全施行を認める判断を下し、控訴裁判所に対し迅速な審理を求めた。このため、入国禁止令をめぐる問題は最高裁に上訴される余地を残しており、そうなればトランプ政権を相手取った訴訟が続くこととなる。

 入国禁止令の対象には北朝鮮出身者とベネズエラの一部政府高官も含まれているが、イスラム圏6か国を主要な対象としている。  


Posted by seeya at 10:51

2017年12月05日

ポーズする女たち

 新印象派の創始者ジョルジュ・スーラが手がけた最も重要な裸婦画作品『ポーズする女たち』。

 本作は長い間、所蔵先であるバーンズ財団の意向によりカラー写真が公開されず、その研究が進展していなかったものの、1994年に開催された初の大規模なバーンズ・コレクション展によって公衆の面前に出され、その重要性や画家の野心的展開が注目された作品としても知られている。

 本作は画家が1884-1886年に手がけた代表作『グランド・ジャット島の日曜日の午後』が置かれるアトリエ(室内)の中で三人の裸婦モデルが様々なポーズをとる姿を描いた作品であるが、この裸婦という画題とその意味の解釈については古典的主題≪三美神≫とする説、『グランド・ジャット島の日曜日の午後』の公開で批評家から指摘された「点描手法は裸婦表現には向かない」という意見に対する反論的展開とする説、エドゥアール・マネ作『草上の昼食』のように、現実の風景の中へ裸婦を配することによる古典(現代性)への挑戦とする説など諸説唱えられている。

  


Posted by seeya at 12:29

2017年11月28日

画家独自の要素として画面下部に描かれた黒い犬


 描かれる人物らの正面性や平面性。画家とは直接的にも間接的にも関係は認められないものの、古いアルバムの記念写真(ポストカード)を基にして制作された本作は、田舎でおこなわれる婚礼の儀式≪結婚式≫の情景を描いた作品である。

 厳格な宗教画にも似た感覚を観る者に与える素朴で実直な精神性。制作した1905年のアンデパンダン展(無審査出品制の美術展覧会)に出品された本作は、単なる集団人物画とは一線を画した、心情・心理的な画家の内面を見出すことができる。

 画家独自の要素として画面下部に描かれた黒い犬。明確な輪郭線や、冷感な色彩、構成要素の圧倒的な存在感、画面全体から醸し出される非現実世界的な雰囲気など画家独特の個性的な様式が良く表れている。  


Posted by seeya at 12:19

2017年11月21日

「若い共和国」の着こなし

 服装はこの現実をいや応なく反映している。目抜き通りの大型広告では、入れ子人形のマトリョーシカなど昔からのロシアの定番デザインと、ミリタリーファッションのポスターが肩を並べている。

 モロゾワさんが提案するファッションで最も目を引くのが「若き共和国」というドレス。白い刺しゅうに覆われたドレスに、ドネツクの旗の色をした長い袖があしらわれている。「私たちは若い国に住んでいる。育ち始めたばかりの国です」。地元デザイナーの作品を集めた野外の特設展で、モロゾワさんは来場した人々に説明していた。そして鎌と槌のモチーフがあしらわれた別のドレスについては、「みんなソビエト連邦生まれだから」と語った。

 しかし、「ロシア風」が国際的な有名ブランドに取って代わっていることを快く思わない人もいる。

 語学学校の元学生で現在無職のエレーナさん(27)は、ドネツクにあるショッピングモールを何も買わずに去った。彼女は親ロシア派勢力による仕返しを恐れ、苗字は明かさずに取材に応じた。「こういったミリタリールックや愛国風のモチーフ、マトリョーシカや『ロシア風』の刺しゅう……どれも品質の良いものではない。どれも好きじゃない」と話す。「需要がないことと戦争のせいで、良い服がドネツクから追いやられてしまった」

 一時は100万人近くが暮らしていた街は今、地元の業者以外はトルコや中国製の安い模造品であふれかえっている。

 デザイナーのタチアナ・プロチェンコ(Tatyana Protchenko)さんの最新スタイルは、戦闘によって毎日のように命が奪われていった2年前の日々にインスパイアされている。「木々が生い茂って暖かく美しい春だったのに、そこら中で砲弾が爆発していて、人々が死んでいった」と振り返る。  


Posted by seeya at 16:29

2017年09月28日

夏の日

 19世紀に活躍した女流画家ベルト・モリゾの代表的な作品のひとつ『夏の日』。

 本作に描かれるのはモリゾが当時その近郊に住んでおり、自身のお気に入りの散歩道であったブーローニュの森で遊ぶ二人の女性である。

 本作に描かれる二人の女性のモデルは不明であるものの、リボンで装飾される洒落た帽子を被り、流行的でありながら爽やかな洗練的印象を与える品の良い衣服に身を包んだ女性らのボート遊びをおこなう姿は非常に優雅的であり、画面からは当時の余暇を楽しむ人々の情景がありありと伝わってくるようである。

 さらに画面中央の女性は質の高そうなレースの長手袋を身に着け、その膝の上には夏の暑い日差しを遮るための、清涼感に溢れる水色(空色)の日傘が置かれている。

  


Posted by seeya at 12:22

2017年09月21日

歴史を感じさせるパリ市内の建築物

水溜りに反射するパリの景観。「雨の効果」と題されるよう、本作に描かれるテアトル・フランセ広場やサン・トレノ街、そしてオペラ座通りへと続く路面は雨に打たれ、鏡のように街や行き交う人々を反射し路面に映し出している。

オペラ座へと続く道の二列の行列。本作はピサロが1897年から借り創作活動をおこなったパレ・ロワイヤル広場に面したホテル≪グラン・ドレル・デュ・ルーヴル≫の一室から眺めたパリの風景を連作的に描いた作品の中の1点である。

歴史を感じさせるパリ市内の建築物。画家の言葉にあるよう幾多の馬車や人々が行き交う通りの喧騒とした風景は、画家の手計算された構図によってひとつの(パリの)都市風景として完成された美しさを見せている。  


Posted by seeya at 10:40

2017年09月14日

マット・デイモン暴露

大統領選でまさかの勝利をおさめ、アメリカの大統領になったドナルド・トランプ氏。彼は“不動産王”と呼ばれた実業家のみならずリアリティ番組のホストも務めた人物で、いわゆる“目立ちたがり屋”であった。そんなトランプ氏のある過去を人気俳優マット・デイモンが暴露した。

このほど俳優マット・デイモンが『ハリウッド・リポーター』の取材に応じ、映画『ホーム・アローン2』(1992年)にドナルド・トランプ氏がカメオ出演するに至った経緯を明かした。マットによるとトランプ氏は、当時所有していた「プラザホテル」を撮影場所として提供する代わりに、「自分にも何か役を」と要求。その結果「同ホテルのオーナー役としてカメオ出演することができた」というのだ。

トランプ氏が自身の不動産を撮影場所として貸すかわりに「役を用意しろ」と映画監督に求めたことは1度や2度ではなかったようだが、編集段階では監督の指示によりカットとなる場合も多かったとのこと。しかし『ホーム・アローン2』では念願かなってカメオ出演を果たしたトランプ氏について、マットはこう話している。

「『俺の不動産のひとつを撮影に使うなら、脚本に俺の役を書き足してくれ』―それが彼の突き付けてくる条件だったのさ。」
「映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(主演アル・パチーノ)のマーティン・ブレスト監督も、(トランプの不動産を撮影で使用する見返りとして)彼の演じる役を脚本に書き足す必要があったんだ。」
「そんなくだらないシーンの撮影に、半日も潰れてしまう。」
「でもトランプが入って来ると、アルまでこんな風に言うのさ。『こんにちは、トランプさん!』ってね。そんな風に名前で呼ばなくちゃならない。そして(カメオ出演を終えると)トランプはさっさと帰って行くのさ。」
「つまり、こういうこと。撮影の許可を得るために、ほんの少し時間を無駄にする。でも撮影の後に、トランプのシーンは編集でカットすることもできるってわけだ。」

このようなことが許される状態を、マットは非常に懸念していたのだそう。「(映画にとっては)まさに致命的な結果につながりかねない」とも述べており、演技の素人でイメージも悪い彼が撮影に参加できる状況を不愉快に感じていたようだ。
  


Posted by seeya at 11:09

2017年09月07日

中流階級層の人々には好意的に受け入れられた

入念に計算された写実的な人物の描写や構成、流麗な輪郭線、非常に明瞭ながら冷艶さや甘美性も兼ね備える色彩(イタリア旅行で触れたラファエロやボンペイなどのフレスコ画の影響をうかがわせる)と、この頃ルノワールが模索していた新たな表現・描写様式が至る所に感じられる本作ではあるが、動きのある躍動的な人物の姿態の描写や背景の非写実的な表現に印象主義的な自由性と瞬間性も見出すことができる。

結果としてわざとらしい演劇的な表現となった本作は、印象派の中心的存在であった画家カミーユ・ピサロからは「線を重視するあまり、人物は背景と分離し各々がばらばらとなっている。また色彩への配慮も欠け調和なき表現へと陥っている。」と批判的な声が上がり、批評家や収集家たちからは敬遠されたものの、画家の友人で本作を手がける前年、共に南仏を旅行したクロード・モネは理解を示したとされているほか、プティの画廊の顧客層であり、このような保守的な趣味を好んだ中流階級層の人々には好意的に受け入れられた。  


Posted by seeya at 11:44

2017年08月31日

犬を抱き上げる(後に画家の妻となる)アリーヌ・シャリゴ

 犬を抱き上げる(後に画家の妻となる)アリーヌ・シャリゴ。本作は1882年の第7回印象派展に出品された、セーヌ河沿いラ・グルヌイエールにあるイル・ド・シャトゥー(シャトゥー島)でアルフォンス・フルネーズが経営する≪レストラン・フルネーズ≫のテラスを舞台に、舟遊びをする人々の昼食場面を描いた作品である。

 椅子に座り談笑する画家ギュスターヴ・カイユボットと女優エレン・アンドレ。本作はルノワールの最も世に知られる印象主義時代の傑作『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』に続く、屋内外で過ごす(集団的)人々の描写に取り組んだ作品でもあり、『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』同様画家の友人・知人らの姿が多数描かれている。
  


Posted by seeya at 11:44